振袖について調べていると半襟(はんえり)という言葉を目にすると思います。

振袖の襟元に合わせる半分に折った衿のことですが、着物の通(ツウ)はこの半襟にこだわる方が多いのです。

今回の記事では、振袖の和装小物である半襟(衿)の選び方と付け方についてお話したいと思います。

振袖の半襟とは

簡単に言うと、振袖の首元でチラリと見える振袖の下にある生地の部分が半衿です。本当に少し見えるだけなのですが、半襟があるとないとではコーディネートで差が出ます。

日常着レベルの着物では半襟をつけない着こなしもありますが、振袖の場合は礼装でありお祝いの席で着るものです。半襟なしでは襟元が寂し気になり胸元のボリュームも出ないので、できる限り半襟は付けましょう。

振袖から少しだけ見える部分ですが、振袖と違う色(振袖が赤の場合は半衿を青にするなど)を入れると差し色としてコーディネートに幅が出る効果を楽しめます。

振袖と半襟の関係性

振袖を着ている時には見えませんが、半襟は通常振袖の下に着る長襦袢(肌着)に付けられているものです。元々長襦袢についている半襟もありますが、長襦袢と半襟が別々で売られている場合は自分でチクチクとお裁縫で縫い付けなくてはいけません。

しかし、半襟の縫い目は表から見えるものでもないので、そこまで神経質にきれいに縫い付けなくても大丈夫です。安全ピンや両面テープでつける人もいますし(!)、一度長襦袢に付けたらつけっぱなしにするという方も割と多いようです。

長襦袢(ながじゅばん):スリップのような上下セットになった着物の肌着のこと

 

ちなみに振袖を着る時は首元で左右の見頃(みごろ:生地のこと)を合わせますが、この時に正面から見て上にくる見頃のことを上前(うわまえ)と言います。
そして、正面から見て下にくる見頃を下前(したまえ)と呼びます。半襟はこの上前と下前をサンドするように半分に折って縫い付ければいいのです。

似合う振袖の選び方

①デコるならハデ目の半襟

思いっきり可愛い振袖を着るなら、半襟もそれに合わせて可愛い柄のものを選びましょう。振袖と同系色(ex.ピンク振袖に違うピンクの半襟)を選ぶと馴染みやすいですし、逆に反対色(ex.ピンク振袖にグリーンやブルーの半襟)を選ぶと個性的でモードっぽい雰囲気になります。

プリントものの派手目の半襟は楽天やアマゾンで可愛いフラワープリントの半襟が販売されています。呉服屋さんで購入すると1点6,000円前後はする半襟ですが、ネット通販ならプチプラで購入できます。

 

②古典柄振袖なら刺繍半襟を

伝統的で凛とした美しさのある古典柄振袖。半襟を合わせるならぜひ刺繍付きの半襟を選びましょう。

古典柄の醸し出す上品さがますますグレードアップすることでしょう。刺繍半襟は振袖店の小物一式フルパックにも含まれる場合が多いようです。
料金の安い振袖レンタルであれば小物は選択不可ですが、10万円前後の適正価格の振袖レンタルでは半襟を始め帯揚げなどの和装小物も好きな物を選べますよ。

 

③自分で作るという手もある

気に入った柄がない方、市販の半襟が高いという方は自分で半襟を作るという手もあります。
112cm×16cm程度のサイズにお好きな布地をカットして、端をピンキングハサミやロックミシンで始末するだけなので簡単です。

 

自分でできる半襟付け

※半襟付けの完成図
※半襟付けはボタン付け程度のお裁縫レベルがあれば、どんな人でも自分でできます。材料は以下のものを使用します。【半襟付けで使用するもの】 1.針 2.待ち針 3.白いしつけ糸 4.半襟 5.振袖の長襦袢(肌着)

 

【半襟の付け方】
1.長襦袢の上前と下前を広げて置く
2.上記の※半襟付けの完成図※画像のようになるように半襟を上前と下前に合わせ、待ち針を順に刺します。半襟の表生地、長襦袢の衿側、半襟の裏側にも合わせて指していきます。この時、背中心から下に向かって待ち針を打つとシワがつきにくいです。
3.しつけ糸を多めにとって、端から3cm間隔でざくざくと縫います。この時、半襟と長襦袢の生地は一緒に縫いましょう。
4.縫っている途中で、ツッている所がないか、正しく縫えているか確認しながら進めましょう。

まとめ

振袖のコーディネートが楽しくなる半襟選び。色のチョイスだけでなく素材や柄にもこだわってワンアンドオンリーに振袖コーデを楽しんでください!