ぽこぽこと丸く立体的な柄が魅力的の振袖の「絞り」。
この柄が気になっているアナタに向け、今回の記事では絞りの由来や種類などを詳しくご紹介します。

是非、成人式の振袖選びに本記事をご活用ください♡

振袖の絞りって何?

振袖だけでなく着物でも使われる技法の「絞り」。絞りとは絞り染めの略称です。
絞りではまず生地を指でつまみ、その周りを丸く糸で縛ります。この一つ一つを「粒」と呼ぶこともあります。

そして、糸で縛った部分を染料の入った容器(お皿など)につけ、時間をおきます。1~2時間後に糸をほどくと、立体的で丸く白い水玉模様のようなシボと呼ばれる柄が現れるのです。

 

絞りは細かいシボが集まってできる柄ですが、手作業のため完成まで大変な時間を費やします。その歴史は古く、その由来は中世まで遡ると言われています。
織田信長と豊臣秀吉が権力を握っていた安土桃山時代に絞り染めは注目され、江戸時代には庶民派と高級路線というようにだんだんバリエーションが増えています。

現在では、絞りのようにみせかけたプリントものもたくさん販売されています。しかし、絞りは本来、伝統のある高級品であることに間違いはありません。

振袖の絞りの種類

絞りの種類は技法により分けられ、なんと50種類もあるそうです。絞りを手作業でするもの、糸を巻く回数の違いなど、絞りは知れば知るほど奥が深いものです。
今回は、特に有名な絞りの技法をご紹介します。

①総絞り

生地の全体を絞りで染め上げたものが総絞りです。職人が製作期間1~2年以上をかけて手作業をする総絞りは、価格でいうと100万円以上、ものによっては500万円するものもあるほど高額です。
間近で見ると細かい作業に圧巻の感想を持つことでしょう。まるで着る事のできる美術品のようです。

しかし、国内の職人ではなくアジアの工場など工賃が安い場所で作られているものや、一見総絞りに見えるけど実はプリントをしたものに凹凸をつけて総絞り「風」にしているものも現在は流通しています。また、素材が絹ではなく綿やポリエルテルのものであればより安価になります。

②鹿の子絞り

絞りの粒は小さく、鹿の子の背中の斑点に似ていることから鹿の子絞りと言われています。

上記の画像で言うと、真ん中の花の辺りに紫色の粒が見えますよね。この部分が鹿の子絞りです。鹿の子絞りは部分的なものと、総絞りのものがあります。京都で作られ上等な絹製のものは京都鹿の子と言われています。

鹿の子絞りと京極絞りの技法は似ていて、生地を針などで一つ一つつまみ糸で巻くのですが、この回数によって鹿の子か京極かに分けられます。
鹿の子絞りは7~9回ですが、京極絞りでは2回と巻く回数が少なくなっています。

③京極絞り

※画像は絞りの技術を取り入れた「辻が花」の振袖です

鹿の子絞りと同類ですが、よりカジュアルなものはこの京極絞りです。
鹿の子では粒と粒の間が狭く、粒の大きさも小さいですよね。
京極絞りの場合は、もう少し粒と粒の感覚が広いものも分類されています。

④疋田絞り

ひった絞りと呼びます。
布目に対して45度の角度で鹿の子絞りを隙間なくびっしりと絞ったものを疋田絞りと言います。

疋田絞りは一つの粒につき綿糸を4回巻きます。本疋田絞りと言われる絞り方は糸を7回巻きます。

粒が細かいほど、粒の数が多いほど熟練の技が必要です。また粒が均一にまっすぐそろっている程上質な絞りとなります。

型染めとの違いとは?

振袖には型染めと呼ばれる技法もあり、型紙などを用いて同じ柄を何度も繰り返し染めることができます。型染めの場合は花や蝶など、モチーフは様々あります。

絞りの場合はモチーフを楽しむというよりは、立体的なシボを楽しむものです。
振袖には、型染めと絞りの2つの技法をミックスした柄もよく見かけます。

絞りは赤、黒が人気!

振袖の絞りは赤や黒が定番です。
最近では他にピンクやオレンジなどのパステルカラーもあるようですね。
振袖だけでなく、絞りに技術は画像のような帯揚げにも使われています。

まとめ

絞りの振袖の魅力に気が付いたなら、着物の世界に飛び込んだようなものです。
着物の世界は奥深く、知れば知るほど楽しいものです。
是非、振袖をきっかけに着物も着られる女子を目指してくださいね♪