振袖の帯結びは、洋服にはない着物ならではの美しさを持ちます。着物にこだわりのある女子なら、着付けの最後を飾る帯結びを適当にはしたくないはずです。

イメージ通りの帯結びにするには、イメージ通りにするための知識が必要です。なぜなら、帯の素材によってできる結び方とできない結び方があるからです。

最近、振袖の帯結びアレンジが加速している?!

そろそろ成人式の振袖について調べてみようかな。こんな気持ちでスマホやタブレットから振袖や帯を検索する人は増えています。

画像検索では多くの帯結びを見る事ができますが、その中で振袖の帯結びは以前より複雑化していて、バラエティ豊かになっています。その分、着付けする側と着付けされる側にも知識がないと、「思った通りの帯結びじゃない」という印象を残すカナシイ結果となってしまいます。

今と昔の帯結びを比較してみたら

振袖の帯結びはどのように変化しているのでしょうか?昔と今の帯結びを比較してみました。

 

①【昔】振袖の平均的な帯結び

昔とは今から30~40年ほど前。現代の振袖女子のお母様よりも少し前の時代は、成人式の振袖写真は主に写真館で撮影されていました。

ネットや書籍などで資料を見ると、平均的な帯結びは文庫結び(画像)や立て屋結びが主流です。

 

②【今】振袖の平均的な帯結び

現代の振袖の帯結びは、文庫結びや立て屋結びに一工夫したアレンジ結びが主流です。アレンジの仕方もさまざまで、中には「この結ぶ方はどうなっているの?!」と目を疑うような複雑な結び方までネット上にはアップされています。

成人式の帯結びをイメージ通りにするためには?

帯結びを自分でするなら問題はないのですが、着付けを他者に依頼するのであれば帯結びの希望を伝えなくてはいけません。

 

①帯の長さで帯結びは変わってくる

帯の太さは袋帯で約31.2cm、名古屋帯で約30.4cmです。太さは約1cmしか変わりませんが、長さは袋帯が約45cmなのに対し、名古屋帯の場合は38cmとだいぶ短めです。

振袖の帯として、お母さまがお持ちになる名古屋帯を使うという選択肢をされる方もいらっしゃるかもしれません。名古屋帯は通常、太鼓結びという非常にシンプルな結び方をする帯で、複雑なアレンジ結びはできません。名古屋帯を振袖に結ぶのなら、端を帯の上から少しリボンのように覗かせることでキュートな印象になります。

 

②帯の硬さで帯結びは変わってくる

ネットで見かけた薔薇結びをしてほしい!と希望を出しても、まずその結び方に合った帯を使用しているかを確認しなければなりません。振袖の帯は本来、袋帯という二重のしっかりした糸で織られた硬いもの。

複雑に折り目をつけるのは、硬い袋帯には向かないのです。薔薇結びはシフォンやちりめんなどの柔らかい生地に向いている結び方なので、帯揚げを薔薇結びにする、薄めの生地の帯を選ぶ、などの方法をとりましょう。

 

③振袖購入やレンタル前に帯結びについて確認を

「こんな帯結びにしたい!」という希望があるのなら、事前に振袖店で着付けについて確認をしましょう。振袖店で着付けをしないのであれば、着付けをしてくれる人への確認をします。

振袖店や個人ブログの帯結びは、カタログやWeb上に長く残る画像のため、最も凝った状態の帯結びと考えて良いでしょう。成人式当日、多くの人が順番待ちする美容室やホテル会場で凝った帯結びに果たしてできるのかは、着付けをする人の技量や着付けプランなどに左右されます。

また、前撮りの時はゆったりと着付けできるけど、成人式当日はシンプルな結びにします、といったスタンスの振袖店もあるようです。

まとめ

洋服の流行が変わるように、振袖の帯結びの流行も変化しています。
成人式当日はバタバタしているもの。
かなり凝った帯結びを希望するのであれば、前撮り撮影などのゆとりある時間にお願いするのがスムーズのようです。